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企業として反社会的勢力(反社)への対応策を講じる重要性とは

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世間から企業に対して求められる期待度は年々高まっており、コンプライアンス遵守の重要性についても強く求められています。それらを背景として、企業には社会的責任および経営統治が強く求められており、反社会的勢力(反社)との企業における取引排除に関する動向は活発化していると言えるでしょう。

本記事では、企業における反社会的勢力(反社)への対応策を講じる重要性について解説します。

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企業が求められている反社会的勢力(反社)排除とは

反社会勢力(反社)とは、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人として定義づけられています。

反社会的勢力(反社)が拡大することで、社会に大きな悪影響が与えられることが懸念されます。そのため、反社会的勢力(反社)の経済活動を限定的なものとして弱体化させることこそが、企業のコンプライアンスおよび社会的責任であると言えるのです。

企業が反社会的勢力(反社)による被害を防止するための指針について

2007年に「企業が反社会的勢力(反社)による被害を防止するための指針」が法務省から発出されています。

近年、暴力団は組織実態を隠ぺいする動きを強めるとともに、活動形態においても企業活動を装ったり、政治活動や社会運動を標ぼうしたりするなど更なる不透明化を進展させています。

また、証券取引や不動産取引等の経済活動を通じて、資金獲得活動を巧妙化させているのです。

今日、多くの企業が企業倫理として暴力団を始めとする反社会的勢力(反社)と一切の関係をもたないことを掲げ、さまざまな取組みを進めているところではありますが、暴力団の不透明化や資金獲得活動の巧妙化を踏まえると、暴力団排除意識の高い企業であったとしても、暴力団関係企業等と知らずに結果的に経済取引を行ってしまう可能性があることから、反社会的勢力(反社)との関係遮断のための取組みをより一層推進する必要があるとされています。

反社会的勢力(反社)を社会から排除していくことは、暴力団の資金源に打撃を与え治安対策上極めて重要な課題でありますが、企業にとっても社会的責任の観点から必要かつ重要なことであると認識されています。

特に、コンプライアンス重視の流れにおいて、反社会的勢力(反社)に対して屈することなく法律に則して対応することや、反社会的勢力(反社)に対して資金提供を行わないことは、コンプライアンスそのものであるとも言えるでしょう。さらには、反社会的勢力(反社)は企業で働く従業員を標的として不当要求を行ったり、企業そのものを乗っ取ろうとしたりするなど、最終的には従業員や株主を含めた企業自身に多大な被害を生じさせるものですので、反社会的勢力(反社)との関係遮断は企業防衛の観点からも必要不可欠な要請であるとされています。

このような認識の下、犯罪対策閣僚会議の下に設置された暴力団資金源等総合対策ワーキングチームにおける検討を経て、企業が反社会的勢力(反社)による被害を防止するための基本的な理念や具体的な対応について、「企業が反社会的勢力(反社)による被害を防止するための指針」が取りまとめられたのです。

企業が行う反社チェックについて

企業が反社会的勢力(反社)による被害を防止するための指針を受け、反社会的勢力(反社)排除とは反社の資金源を断つことを目的として、各都道府県においては2009年から2011年にかけて「暴力団排除条例」が制定されました。

なお、暴力団排除条例においては反社との取引を未然に防止することを目的として、次のような対応が求められています。

1.契約締結時に暴力団関係者であるか否かの確認

2.契約書への暴力団排除に係る特約条項追加

3.暴力団関係者への利益供与禁止

各都道府県において、暴力団排除条例の内容に微細な差異が見られますが、反社の疑いがあると認められる場合においては暴力団関係者でないかを確認するよう努めると定義づけられている条例もあり、企業と受注者において取引の前段階で反社チェックを推奨しているところもあります。

ここからは、具体的な反社チェックの手法について詳しく解説します。

インターネットの活用

昨今では、最適なインターネット環境が構築されていることから、反社チェックの手軽な手法としてインターネットの活用が挙げられます。

インターネットでは、さまざまな検索エンジンがありますので、それらのシステムを利用して取引先の商号・代表者・役員・主要株主などの詳細情報を入手することができますので、取引の前段階において反社かどうかの確認を行うことができます。

新聞および雑誌など各種メディアの活用

インターネットが普及している現代においても、アナログ媒体およびデジタル媒体を問わず新聞や雑誌などが普及しています。

反社チェックにおいては、膨大な情報量から該当する取引先の情報を確認しなければならないことから、紙ベースのアナログ媒体では反社チェックに要する労力が膨大となってしまいます。そのため、新聞および雑誌をデジタル媒体で活用することが推奨されています。デジタル媒体であれば、膨大な情報はデータベースとして管理されていることから、取引先の商号・代表者・役員・主要株主の情報も検索しやすいメリットがあります。また、不祥事・事故・逮捕などの反社を連想させるワードをヒットさせることで、有効的な反社チェックを行うことができるのです。

データベースでは、新聞においては全国展開されているものから地方展開に限定されているものまで広範的に検索することができますので、反社チェックに要する労力の大きな削減も期待できます。

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リストの活用

業界団体等によって、一般に公にされているリストがあります。

具体的には、日証協・全銀協・生保協会などの各種団体によって情報提供されています。また、警察・都道府県暴力追放運動推進センター・警視庁管内特殊暴力防止対策連合会などの公的機関によって情報提供もされています。これらの情報については非常に信頼度が高く、反社チェックに有効的であると言えるでしょう。

※反社会的勢力(反社)チェックにおける顧客リストについて解説しております。

調査会社の活用

上述した反社チェックは、一般的に公開されている情報を元に行うことが前提となっています。

しかし、取引先の情報量によっては一般的に公開されている情報だけでは反社チェックが行えないケースもあります。そういったケースにも対応できるのが、調査会社を利用することです。調査会社を活用した信用調査では、企業向けに対して行う調査と個人向け対して行う調査に分類されます。調査会社を活用して、どのような内容を徹底的に調査したいのかを明確にして調査を依頼することで、より精度の高い反社チェックを行うことができます。

なお、調査会社を活用する場合においてはある程度の費用が発生することに注意しなければなりません。

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反社チェックが必要な理由について

企業が故意もしくは過失によって反社と取引をしてしまうと、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人に対して資金提供を行ったと認定されます。

その場合、暴排条例違反として罰則が言い渡されるケースや行政指導が行われるケースが想定されます。さらには、上場企業を廃止させられることや銀行からの融資をストップされてしまうことが想定されます。また、コンプライアンス違反として大きく報道されてしまいますので、社会的な信頼度も大きく失墜してしまうこととなります。

このように、企業に対して非常に大きなダメージを与えてしまうため、適切な反社チェックを行う必要があるのです。

※企業間の取引判定基準について解説しております。

まとめ

ここまで、企業における反社会的勢力(反社)への対応策を講じる重要性について解説しました。

暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人は、社会に多大な悪影響を与えるため排除しなければなりません。そのためには、それらに資金提供をすることはあってはならず、企業として適切な反社チェックをすることが求められているのです。

本記事が、反社勢力排除を重要視する企業にとって一助となれば幸いです。