信用調査とは?企業における信用調査の重要性について徹底解説!
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企業が発展および継続維持をするためには、さまざまな手法で契約締結をして事業を推進する必要があります。契約相手先が自社に対して、契約どおりに報酬を支払ってくれるのかどうかは相手先の信用性に大きく関与します。そのため、企業においては信用調査を実施することが極めて重要であると言えるのです。
本記事では、企業における信用調査の重要性について詳しく解説します。
信用調査について
信用調査とは、特定の法人に対して商いに関する取引の信用状況について特筆して調査することとされています。信用調査の意義としては、企業が新たに新規契約などをした際には相手先が信用に足るべき相手なのかどうかを見極める必要があるためです。企業間におけるさまざまな取引では、商品やサービスといった成果物を契約相手方に先んじて渡し、成果物に対する報酬として受け取るべき金銭は後から受領するといったケースは珍しくありません。
成果物を先に渡して金銭を後から受け取るわけですから、「信用関係」が前提とされている契約スタイルであるとも言えるのです。そのため、企業間において適切な信用関係を構築できるのかどうかを見極めることは、極めて重要な行為であると言えるのです。
信用調査の具体的な方法については後述しますが、さまざまな手法により調査を行うことが可能です。
企業における信用調査の重要性について
企業間における契約スタイルとして、掛取引は一般的なものであると言えます。これは、商品やサービスといった成果物を契約相手方に先んじて渡し、成果物に対する報酬として受け取るべき金銭は後から受領するといった契約スタイルです。契約相手方が取引に置ける信用度を有しているのかどうかを確認せずまま取引を進めてしまうと、支払期日までに金銭を支払ってもらえないといった事態に発展するケースがあります。これらのリスクヘッジを行うためにも、企業における信用調査とは極めて重要であると言えます。
企業における信用調査の方法について
企業における信用調査の重要性は上述したとおりとなっていますので、取引先の信用調査は必ず行わなければならないと言えるのです。
なお、信用調査の方法は大きく4つに分類することができます。
ここからは、各々の信用調査について詳しく解説します。
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1.社内調査
自社企業が構築している営業部および経理部などに保存されている過去の取引データや契約相手方の企業情報などを参照して調査を行う手法です。自社企業の継続年数や取引数に応じて保存されているデータ量は大きく異なります。また、契約相手方と直接やりとりをしたことがある社員などからの聞き込みも有効的であると言えるでしょう。
2.直接調査
実際に取引を行う契約相手方に対して、訪問・電話・FAX・メールなどを活用してヒアリングを行います。
3.外部調査
信用調査の対象外である企業以外から情報収集を行います。具体的には、商業登記簿および不動産登記簿などを入手して調査を行う官公庁調査や、インターネットを活用した検索調査などが挙げられます。
4.依頼調査
信用調査を行うためには、非常に労力がかかります。また、自社の直営で行う信用調査にも限界があります。社会情勢などを考慮すると企業における信用調査の重要性は高まっていることから、専門的に信用調査を行う会社が存在しているのです。そのような、専門会社に直接依頼する手法が依頼調査です。信用調査を専門的に行っている会社では、決算書の情報による定量分析を行うと同時に数値では確認することができない情報を考慮した定性分析が行われます。特に、信用調査の対象としている企業が中小企業であるケースでは、決算書の入手が困難であることが多いため、一般に公開されているホームページおよび企業情報データベースなどを活用して定性情報も調査してくれます。
なお、信用調査を専門的に行っている会社に直接依頼するケースでは、必要に応じて費用が発生するため注意が必要です。
信用調査で判明する内容について
信用調査で判明する内容については、次のとおりです。
1.会社基本情報
調査対象の企業概要が判明します。具体的には、所在地・代表者名・創業・設立年数・資本金・従業員数などが挙げられます。
2.業績推移
売上高・営業利益・経常利益・当期純利益など、業績に附随する利益などが判明します。
3.事業構成
調査対象企業の事業に関連する売上高の割合が判明します。なお、調査の精度によっては主力事業とそれ以外の事業についての売上高を確認することが可能です。
4.信用要素別評価(100点満点評価)
信用調査を行った結果に基づき、信用要素を整理し数値化することで点数として表すことができます。
5.信用程度(段階評価)
上述した信用要素評価の合計点を考慮して、ランクとして表します。
6.近年の評点推移
上述した信用要素評価の合計点が、どのように推移しているのかを表します。
7.不良債権
調査対象企業が関係性を構築している、金融機関が回収不能となった債権がどの程度あるのか判明します。
8.現況と見通し
調査対象企業の信用調査結果を総括的に考察した内容が判明します。
企業における信用調査の実施時期について
企業に置ける信用調査とは、無暗に実施すれば良いというわけではありません。適切なタイミングで信用調査を行うからこそ、最大限の効果を発揮するのです。
なお、具体的な信用調査の実施時期は次のとおりです。
- 契約相手先と新規契約を締結するタイミング(企業に対して支払い能力が担保されているのかを確認するため)
- 企業間同士の情報網などにより、取引先の経営が好ましくないと推察されるタイミング
- 契約相手先との取引額を増加させるタイミング
信用調査とは、契約相手方と新規契約を締結する際に行われるものとして認知されていますが、信用調査を行う適切なタイミングとはそれだけではありません。長年に渡って契約を継続している企業に対しても、将来に渡って適切な支払いがされ続けるとは断言できないことから、経営悪化が懸念されているときなども信用調査を行うべきであると言えるのです。
一方、経営悪化とは逆の思想として契約相手方が事業拡大のために取引額を増加させるための打診をしてきた際にも信用調査の実施は有効であると言えます。取引額の増加にあたり、どの程度まで増大させるかについては客観的なデータがあって初めて適切な判断ができるためです。このように、信用調査を行う適切なタイミングを理解することが重要なのです。
企業における信用調査会社を採用するメリットとポイントについて
信用調査は自社でも行うことができますが、専門的に信用調査を行っている会社に依頼する方が良いと言えるでしょう。
1つ目のメリットは、信用調査に要する時間を省略することができることです。信用調査では、さまざまな内容を包括的に調査しなければなりません。そのため、調査に要する時間が膨大になってしまうのです。
2つ目のメリットは、主観と客観の観点です。例えば、自社で調査を行うケースでは長年取引を続けている企業に対して信用調査を行う場合は、主観的な判断が混じってしまうことがあるのです。しかし、信用調査を専門的に行っている会社に依頼するのであれば全ての物ごとを客観的に判断するため、適切な調査を実施することができるでしょう。また、信用調査会社を選ぶ際に抑えておくべきポイントとしては、調査価格・納期・報告書・調査会社の性質です。
調査価格と納期は、自社の希望に沿ったものであるかどうかを確認するようにしてください。報告書は、誰が見ても分かりやすく簡潔に記載されているかどうかがポイントです。調査会社の性質とは、総合的な信用調査会社か専門的な信用調査会社かの違いです。総合的な調査会社では、全国的に一般的なレベルの調査が可能ですが、専門的な調査会社では費用や利用条件がシビアである反面、詳細かつ制度の高い情報が得ることができます。
これらを総合的に考慮して、信用調査会社を選定するようにしてください。
まとめ
ここまで、企業における信用調査の重要性について詳しく解説しました。企業にとって契約とは極めて重要なものであり、その契約が適切に履行されるかどうかについては契約相手方の信用性が足るものなのかどうかを見極めなければなりません。そのため、新たな契約締結のタイミングやこれまでの契約が将来的に継続できるのかどうか確認するタイミングなどで信用調査を行わなければならないのです。
本記事が、信用調査を必要としている企業にとって一助となれば幸いです。