WEB調査における風評チェックの一般的手法と対応例
- KYCコラム
弊社の風評チェックサービスの商談時に、クライアントご担当者様より「自社ではニュース等報道情報のチェック以外にインターネット上の風評もチェックしている」とお話をいただく機会が増えてまいりました。
一般的なインターネット上の風評もチェック手法
公知情報(*1)のチェックと異なり、風評チェックではインターネット上で該当する情報を見つける事になります。一般的な調査スタイルとして、Google,Yahooなどの検索ポータルサイトを利用しますが、調査対象名にネガティブワードを掛け合わせ、検索結果を上位から確認する流れになると思います。
検索結果ページを数ページ確認するのですが、無関係情報も混在していますので、要不要の振り分け作業が加わります。必要に応じて実際のサイトを表示させて内容を確認する事になります。サイトページの文字数が膨大な時はページ内検索で調査対象名を見つけ、書かれている内容を確認します。噂や風評と関係のない時はここで終了となり、次の検索結果ページの確認に移ります。
ここまでは通常のインターネット検索と同じですが、反社チェックにおける風評チェックの際は、そこに「なんらか怪しい情報が存在するかどうか」の確認が目的となりますので、余計念入りになるため時間も要してしまいます。ここまでは検索開始から風評情報の有無確認までの流れとなります。
風評情報を発見したら、まず何をするべきか
次に、風評と思われる情報を確認した時、どのようなアクションをとりますでしょうか。企業様毎に対応基準、対応方法があると思いますので、その基準・方法に沿って対応する事になります。
話が若干逸れますが、私は前職の約20年間程を、インターネット(ソーシャル)・リスク・モニタリングサービスに従事し、企業のインターネット上の風評と関わってまいりました。多くは自社に関する風評をモニタリングするケースでしたが、一部、自社以外の企業や個人に対する調査での利用もありました。メディア記事ではなく個人が投稿するネガティブ情報の確認が目的でした。まずは、どんな些細な情報でもいいから知りたいとの要望が強かったです。弊社チェックサービスを検討いただく企業様はほとんどが自社以外のチェックですから、上記の目的や要望と同じ部分があると思います。
話を戻しますと、対応について基準・方法が整備されていると思いますが、仮にネガティブ情報を確認した際に、真っ先に取るべきアクションは「真偽の確認」です。リスクマネジメントでは鉄則ですが、インターネット上の風評情報では特に判断が難しいところです。
風評と思われる情報の検証例
該当情報について、「真偽」の確証に至らなければ推測して判断する他ありません。似通ったネガティブ情報が複数存在している時には、比較したり、繋げたり、のような推測が可能ですが、たった1つしか存在しない情報では推測も容易ではありません。このようなケースも多いと思います。
このようなケースでは判断が相当難しくなります。すぐに結論を出す事は容易ではありませんので、想定範囲内で情報が現実的かどうかを推測します。時間的に余裕があれば、更なる深堀調査、あるいは一旦保留として一定期間を置いた後に再調査します。
また、ネガティブ情報に対する360度視点も有効です。発信されている情報に対し、5W1H式に、いつ、誰が、の枠に当てはめてみると想定しやすくなります。
例えば、いつ(When)は時間ですから、発信時刻が判明していたら、発信時刻に情報を発信できる環境にある事になります。誰が(Who)投稿したのかについては、投稿内容から推測します。言葉遣い、漢字・カタカナ・ひらがなの使い方、業界特有の言葉、など、より多くの視点で情報を確認することができます。
上記以外にも多くの視点がありますが、ここでは一例をご紹介いたしました。
風評チェック作業の自動化対応
冒頭で、風評チェックも実施しているお話をさせていただきましたが、チェック作業は上記ご説明の通り、実際は簡単なものではありません。長らくチェック業務を担当されていらっしゃってもご苦労は多いのではないでしょうか。
弊社では風評もコンプライアンス・チェックに必要と考え、風評検索の実装を進めております。現在、既存客向けにベータ版を提供しておりますが、更にクオリティを高めるつもりです。風評検索では、担当者が行っている手動での検索を弊社システムが代わり、結果をご報告する仕組みです。時間や労力の大幅な削減に寄与できます。また、弊社ではサポート窓口を設置しておりますので、ご相談・ご確認に対応しております(一部無料、他別途御見積)。お気軽にご活用いただけましたら幸いです。
*1:公知情報とは、すでに広く公に知られている情報。一般的に新聞・ニュースの記事検索のような手法でチェックされることが多い。