• コラム

リーガルチェックの体制を構築しよう!企業におけるリーガルチェックの重要性について徹底解説!

  • KYCコラム
  • コンプライアンス
  • 経営
リーガルチェック

 企業においてリーガルチェックは、非常に重要な要素となっています。企業が事業運営を行ううえで、法的観点より確認をしなければならない事項は多数あり、それらを怠ることで企業に対して大きな損害が発生するリスクがあるからです。本記事では、企業におけるリーガルチェックの重要性について詳しく解説します。

リーガルチェックとは

 リーガルチェックとは、企業が取引先などと締結する契約書の内容について、企業目線の内容だけでなく法的な観点で検証および確認をすることです。リーガルチェックを行うことで、契約書によって甲乙が合意した内容が明確かつ意図した効力を発揮しているのかを確認するとともに、想定していないリスクが発生しないかを確認することができます。

コンプライアンスチェックツール「Risk Analyze」https://www.kycc.co.jp/lp/

リーガルチェックのメリットについて

 上述したように、契約書の締結などによって企業が抱える可能性のあるリスクを適切に管理するためにリーガルチェックは必要不可欠な行為となっています。ここからは、リーガルチェックを行うことで得られるメリットについて詳しく解説します。

1.取引実態に対応した契約書の作成

 契約書には、条項立てによってさまざまな内容が盛り込まれています。一見、同じような文章となっているように見えますが、定型的な文言だけでは実際の契約内容に対応した契約書となっていないケースがあります。また、支払条件等についても定型的な文言で片づけるのではなく取引内容に合わせて変化させるべきであると言えるでしょう。実際の取引に即した内容の契約書となっていないことで、さまざまなトラブルが発生する可能性がありますので注意が必要です。企業がリーガルチェックを行うことで、実際の取引に即した契約書を作成することができるため、さまざまなトラブルを未然に回避することができます。

2.甲乙による認識相違を事前に把握

 リーガルチェックを行うことで、法務担当者および弁護士などが不明な点を所管担当部署へと質問することや、契約相手方へと確認することで不明瞭な契約内容を明確化することができます。また、曖昧な言葉・用語の不適合など、甲乙間において契約書の内容について理解を深めるためのコミュニケーションが発生し、さまざまなリスクを回避することが期待できます。

3.企業に不利となる条項などを事前に確認

 甲乙間で取り交わされる契約書では、往々にして自社に対しては不利となり契約相手方が有利となるような条項が盛り込まれていることがあります。このような契約書に基づいて契約締結してしまうと、企業にとっては大きな損失を生じさせてしまうリスクがあるのです。リーガルチェックを行うことで、契約書の内容が自社にとって不利な内容となっていないかどうかを事前に確認することができます。

コンプライアンスチェックツール「Risk Analyze」https://www.kycc.co.jp/lp/

リーガルチェック時のポイントについて

 リーガルチェックを行う際は定型業務として処理してしまうのではなく、しっかりとポイントを抑えて確認する必要があります。ここからは、リーガルチェックを行う際の具体的なポイントについて詳しく解説します。

1.契約書に記載されている用語を確認

 取引内容によっては、専門性の高い事象が含まれていることに起因してさまざまな専門用語などが使用されているケースがあります。また、言葉の取り方によっては如何様にも解釈できる表現となっていることから、お互いの認識に齟齬が生じてしまう可能性があるほか、契約によって取引される成果品やサービス内容そのものに認識の違いが発生してしまう可能性も否定できません。そのため、お互いの認識に齟齬が生じた状態のまま契約締結をしてしまうと、非常に大きなトラブルへと発展してしまうのです。
上述したように、専門用語や言葉の取り方によっては如何様にも解釈できる表現となっている文言を放置したまま契約締結をすることは、リスク管理の観点からも絶対に避けるべきであると言えるでしょう。リーガルチェックを行うことで、専門用語や言葉の取り方によっては如何様にも解釈できる表現となっている文言は、誰が解釈しても意味が一義的に定まる内容となるように修正することが可能です。

2.関係する法令や判例を調査する

 契約書を取り交わすことで、民法や刑法などのさまざまな法律が密接に関連してきます。そのため、各種関連法令および過去における裁判の判決事例なども視野に入れた調査を行うこともリーガルチェックの大きな要素となっています。契約書の条項に記載されていない事項は、法令および過去の裁判の判決事例判などを基本とした処理が行われます。
また、強行法規違反の契約条項が盛り込まれているケースでは直ちに修正を要するため、それらに対して適切に対応するためにもリーガルチェックは必ず行うべきであると言えるでしょう。

リーガルチェックの依頼先について

 リーガルチェックを行うためには、法律などの専門的な知識を有した人物に依頼しなければなりません。なお、具体的な依頼策については次のとおりです。

1.企業内の法務部門

 自社において法務部門を要しているところは、各種関連法令等に精通している担当者が在籍しているためリーガルチェックをスムーズに行うことができます。企業規模にもよりますが、さまざまな内容の契約書を頻繁に取り交わす事業を展開している企業では、法務部門を確立させておくべきであると言えるでしょう。

2.社外の弁護士など

 企業によっては、自社に法務部門を要していないところもあるでしょう。しかし、法務部門がないからと言ってリーガルチェックを疎かにしてはいけません。そういったケースでは、社外の弁護士などにリーガルチェックを依頼すると良いでしょう。弁護士とは、法律の専門家であることから客観的かつ多角的な法的アドバイスを受けることができます。なお、自社において法務部門を要している企業においても特に大きな取引や専門性があまりにも高い場合などにおいてはセカンドオピニオンの観点からも社外の弁護士に相談しても良いでしょう。

リーガルチェックすべき契約書について

 企業において、リーガルチェックを行う対象である代表的な契約書は次のとおりです。

1.売買契約書

 不動産および動産に関する売買取引については、売買契約書を取り交わします。
 契約書には、売買対象物・価格・危険負担および保険・引渡方法などが記載されているのが一般的です。契約内容に対して不備が生じることで取引そのものが実行できなくなってしまうケースも珍しくありませんので、確実にリーガルチェックを行わなければならない契約書となっています。

2.基本契約書

 基本契約書とは、反復性の高い取引において取り交わされる契約書です。言葉のとおり、甲乙間において基本ベースとなる内容が盛り込まれた契約書となっており、資材取引基本契約書やサービス提供に関する基本条件を定義づけているサービス基本契約書などがあります。このように、ベースとなる基本契約書が存在することでそこから派生する個別案件については簡略的な個別契約書を締結することで事務手続きを行うことができます。そのため、基本契約書とは今後発生しうる個別契約の大元となる非常に重要な役割を持った契約書ですので、必ずリーガルチェックを行う必要がある契約書と言えます。

まとめ

 ここまで、企業におけるリーガルチェックの重要性について詳しく解説しました。企業においてリーガルチェックを適切に行うことで、さまざまなリスクを事前に回避することができます。また、自社にとって不利益な内容となっていないことを法的観点からも確認することができますので、企業にとっては非常にメリットが大きいと言えるでしょう。
 本記事が、企業においてのリーガルチェックの重要性を再認識するための一助となれば幸いです。