SNS炎上・ネット炎上などソーシャルリスク対応からの学び
- KYCコラム
- ソーシャルリスク
弊社は、長きににわたり企業のソーシャルリスクを目にしてきました。現在も大なり小なりのSNSやネット炎上は日々発生しています。多くの炎上事例を通して、企業がSNSやネット上でどのように扱われているのかを改めて整理し、炎上という事象から学ぶことができた一部をお話させていただくと共に、コンプライアンスチェックの一助となれば幸いです。
ソーシャルリスクマネジメントの重要性
例えばソーシャルリスクが発生した際、企業側は「想定外」というキーワードを用いることがあります。これは、そもそも想定していなかったことを公にしており、準備や対策の不足を露呈している、とも捉えられかねません。出来る限りの準備をしていたにも関わらず、発生してしまうケースもありますが、想定内であれば発生前に対応措置が取られ、リスク回避できているはずですから公の場に登場することもないことになります。 企業を取り囲むソーシャルリスクは多数存在しており、個々の対策をしっかり準備する事は容易ではありませんが、万一の時に「想定内」や「想定外」という言葉で対応をしてしまいますと、後にお話する二次被害を生み出してしまう可能性があります。
また、事前にリスクマネジメントの概念がないと対応が難しくなる例として、SNSやネットユーザーというステークホルダーの存在を現在では無視できません。企業が発信する一挙手一投足に反応し、個々のユーザーが感じた事をSNSやネット上に匿名で投稿します。一つの投稿に対して枝葉が付き、投稿が連鎖し増えていき、中には偽りの情報も投稿され、削除されない限り半永久的にネット上に存在し続けます。 このような偽りの情報は、不確かな情報であるにもかかわらず、疑念を感じさせ、コンプライアンスチェック時の判断を難しくしてしまいますので、判断基準の事前整備をしておく必要があります。
炎上発生時の企業対応が引き起こす二次被害
リスクマネジメントが不十分な状態での炎上対応で、二次被害につながる可能性があることを述べましたが、一次対応の不備に対してネット上のユーザーやメディアに、更なる指摘を受けることにより発生時の炎上よりも更なる炎上を引き起こしてしまうことになります。企業側の次なる対応も世間が納得できるような形でなかった場合、「一度ならずに二度までも…」と世間に受け止められてしまい、「この企業は全てが悪い」というレッテルを張られてしまう危険があります。炎上が拡大してしまうと、最初は単なるレッテルであったものが真実として捉えられてしまいます。
このレベルまで達すると、企業イメージは低下し、商品やサービスの売り上げにも影響します。もちろん、取引先への影響もあります。実際に不買運動、店舗閉鎖などが現実のものになった場合もあります。企業姿勢に対して、世間の目は冷ややかで、その企業は全てが悪いのだと思われてしまいます。コンプライアンスチェックの時には、このような情報を目にした際には注意深く情報を吟味する必要があります。
企業姿勢に対して、ネットやSNSユーザーは非常に敏感なところがありますので、前述の内容を含めて、企業は嘘のない誠意ある対応を行うことが大切です。また、炎上の飛び火は災難であり、同業他社で発生した炎上に巻き込まれ、炎上した企業の同業であるあの会社もきっと同じことをしていると決めつけられてしまい、いわれのない誹謗中傷を受けてしまう可能性もあります。誠意ある対応を根気強く継続して、誤解を払拭せざるを得ません。飛び火を受けた企業に対する投稿内容は真実性が薄いものが多いので、鵜呑みにせずに情報を確認することが大切です。
炎上事例から学ぶソーシャルリスク対応策
他社で発生した炎上事例を、対岸の火事として受け取るか、反面教師とするか、受け止め方によってその企業の姿勢は大きく変わってきます。
過去にご縁のあった企業様は、他社の様々な炎上事例を自社に置き換えて対策を準備されました。特に同業他社の炎上発生事例に対しては、力を入れて現場確認もされました。
炎上は防ぐことができればそれが一番ですが、数多く発生しておりますので、その事例を反面教師として受け止め、リスク発生時の対応策を見直すきっかけにできると思います。また、そのような意識を持つことで目線も変わってきますので、コンプライアンスチェック時に投稿された情報を見る際にも、少なからず有効です。
ネット上に存在する投稿される情報は、そのユーザーの感情に左右されてしまう側面がありますので、好き嫌いといった感情的な部分ではなく、本質的な部分を見る必要があります。加えて、その情報の真偽の確認をすることでコンプライアンスチェックに役立つと考えます。ネットやSNS上の口コミや噂なども情報として確認されたい際は、ご支援させていただく準備がございますので、お気軽にお問い合わせください。